認知症の初期症状には典型的なパターンがあります。アルツハイマー病の初期症状やその他の認知症の初期症状等様々な症状がありますが、異変を察知し、早めに診断を受けることが最も大事です。
目次
アルツハイマー病の初期症状
認知症でもっとも多いとされるアルツハイマーの特徴的な初期症状です。
記憶障害
アルツハイマーの初期はうっかりや物忘れが増えてきます。高齢になればある程度は自然なことですが、同じ物忘れでもアルツハイマーの特徴は記憶をたどることができません。例えば、突然食べたはずの食事をまだだと思いこんで再度食べようとします。家人が「さっき食べたでしょ」と注意すると「今日はまだ何も食べてないのに」と怒り出したりします。
環境に鈍感になる
物忘れが増えるのと同時に環境に対して鈍感になります。例えば冷蔵庫には古い食べ物が多くなったり、ゴミが捨てられなくなったりします。一人暮らしの場合は洗濯ができず、同じものを臭うようになっても着ていたりします。つまりニオイにも鈍感になります。
性格が変わる
周りから見ると性格が変わったように見えます。それまでどちらかといえば外交的で出かけたり他人と会話することが普通、あるいは多い方だったのが急に出かけなくなり、人を避ける感じがしたりする。
認知症の特徴的な初期症状
アルツハイマー以外の認知症の場合も同様の初期症状を示します。
物忘れが激しくなる。
最も大きな特徴です。そして最近のことを忘れるのが特徴です。昔のことはよく覚えています。今朝のことが覚えられなくなっていたら当てはまります。お父さんやお母さんの行動や言動にあれっと思ったら今日の日付と曜日を訪ねてみましょう。少しくらいの間違いは誰でもありますが3月なのに10月とか答えるのは明らかに異常です。朝ごはんを食べたのを忘れて再び食べようとするのはもはや初期症状とは言えないかもしれません。
同じことを繰り返し言う。
これも記憶障害から来ています。昔のことを繰り返し言うのはある程度高齢になればあります。しかし昨日、今日の最近のことを繰り返し言う場合は要注意です。例えば電気代を払ったか?(振り込んだ)と問われ、「もう払ったよ。」と返しても何分かするとまた「払ったのか?」と同じことを繰り返し言います。これは私の母の例ですが、お金に関わることが多いです。約束事や支払などに関して強迫観念のような感じが出ます。そのため余裕がなく、早く、早くと言った感じであせります。
掃除機や洗濯機などの家電の操作がおかしくなる
これも私の母の例ですが、洗濯機が故障したと言いはります。もちろん故障はしていませんが、少しの動作の待ち時間も異常に感じられ、故障したと思い込みます。電気釜の予約ができなくなりました。タイマーが故障しているから炊飯の予約ができないと言い始めました。操作ボタンの順序が混乱しています。このように手順が理解できなくなり混乱するのですが、そのさい、自分がおかしいのではなく、相手や機会がおかしいと主張します。反論は全く受け付けず、頑固になります。
お風呂を嫌がるようになります。
突然お風呂に入るのを嫌がるようになります。もちろん着替えも同様に嫌がるようになり、同じものを着ようとします。ムリに説得しようとすると怒り始めます。今まできれい好きだっただけに周囲はショックを受けます。
料理の手順や味付けがおかしくなる
これも家電の操作と同様に手順が混乱します。そのため不思議な料理が出てきたり、まさかの味がしたりします。不味いというとあんたの舌はおかしいと言って怒り始めます。
お金に汚くなる
お金がなくなったと言い始めます。お金がない、ではなくなくなったというのが特徴です。つまり身内の誰かがお金をもっていったり、使い込んでいると思い込みます。たいていお嫁さんがお母さんやお父さんの被害妄想の被害に会います。息子や娘も逃れられません。被害妄想の中でもこのお金に関しては「お金取られ妄想」とか「貧乏妄想」、「物盗られ妄想」と呼ばれ、認知症の初期症状の代表例です。
時間の感覚がおかしくなり昼夜逆転する
今まで同じような時間帯でしていた昼寝を突然しなくなったり、夕方に寝るようになったりします。夜更かしが多くなり寝る時間がどんどん後ろにずれていきます。怖いのは寝る時間がどんどん短くなっていって妄想がひどくなっていくケースがあります。本人には睡眠時間が減っている自覚がないのが特徴です。