チーズや乳製品が健康によいことは広く知られていますが、最近のニュースでカマンベールチーズがアルツハイマー型認知症の予防に効果があることがわかりました。
Baked Camembert / Fareham Wine
マウス実験によればカマンベールチーズを餌として与えられたアルツハイマー病のマウスは脳内の炎症状態が緩和されたそうです。脳内でアミロイドβが蓄積してアルツハイマー病の原因となるのですが、カマンベールチーズに含まれている成分がアミロイドβや老廃物を除去する働きがあるのではと考えられています。
キリン株式会社の基盤技術研究所。小岩井乳業株式会社、東京大学大学院農学生命科学研究科の共同研究 研究成果は、米・科学誌「PLOS ONE(プロスワン)」(2015年3月11日号)に論文掲載されました」。
阿野 泰久(キリン株式会社 R&D本部 基盤技術研究所)
小澤 真希子(東京大学 大学院農学生命科学研究科獣医学専攻 博士課程3年)
沓掛 登志子(キリン株式会社 R&D本部 基盤技術研究所)
杉山 晋也(小岩井乳業株式会社 小岩井工場)
星 朱香(キリン株式会社 R&D本部 基盤技術研究所)
吉田 有人(キリン株式会社 R&D本部 基盤技術研究所;当時)
内田 和幸(東京大学 大学院農学生命科学研究科獣医学専攻 准教授)
中山 裕之(東京大学 大学院農学生命科学研究科獣医学専攻 教授)
元々カマンベールチーズには老化や認知機能の低下に対して予防効果があることは推測されていました。しかしカマンベールチーズの成分の何が効果をもたらすのかがよくわかっていませんでした。
目次
カマンベールチーズから発見された注目成分
チームがアルツハイマー病の予防効果がある有効成分として、オレイン酸アミドとデヒドロエルゴステロールを発見
今回カマンベールチーズから発見された成分「オレイン酸アミド」にはアルツハイマー病の原因の一つと言われる脳内に蓄積されるβアミロイドや老廃物を取り除く働きがある「ミクログリア」という細胞を活性化してくれます。そしてデヒドロエルゴステロールという抗炎症活性を示す成分です。
発表によれば「これらの成分は、乳の微生物による発酵過程で生成されたと考察しています。」と語られています。
カマンベールチーズの主な成分
脂質
タンパク質
セレン
強力な抗酸化作用と血流の改善効果があることが知られています。脳血栓、脳梗塞、心筋梗塞の予防が期待されています。食べ物では魚介類、肉、卵黄と幅広い食物に含まれています。
ビタミンB12
不足すると赤血球の形成、再生が難しくなり悪性の貧血が起こりやすくなります。牛の肝臓中に発見されたビタミンで微生物によって合成されます。そのため植物性の食物にはビタミンB12はほとんど含まれません。
リン
ビタミンB2
気になるのは一日にどれくらい摂取すれば効果が期待できるのかですね。
認知症予防が期待されるカマンベールチーズの摂取量
約17g/一日あたり の量で効果が期待できるそうです。

これで100gですからひとかけをおやつで食べれば十分なかんじですね。これなら続けられそう。ただし食べ過ぎには注意が必要です。チーズの一日あたりの摂取量は60g以下が適量とされていますのでご注意を。
カマンベールチーズが認知症予防に良いのは分かりましたが他の種類のチーズは効果があるのかどうかも知りたいところですね。
チーズは高カロリーなのでコレステロール値が心配だと思っていたらどうやら最近の説ではあまり意識しなくても良いというアメリカのガイドラインもあるようです。
認知症予防にかぎらず健康のために積極的にチーズや乳製品は摂取してもOKですね。